借景
家を設計するときに気を付けることがあります。
それは「家から見る景色」です。
家に設ける窓は主に採光・換気の役割を持っていますが
もちろん「外を見る」という役割も持っております。
日々の生活の中で庭や緑を観る時間はありますか?
忙しく過ごされている中で、ゆっくりとした時間を持てない方が多いのではないでしょうか。
また、最近「庭を設けると手入れが大変」なんていう方も増えてきています。
敷地的な制約があり思ったように庭を設けることができない事もあります。
そんな時は「借景」という手法を使います。
読んで字のごとく「景色を借りる」事で自宅の庭がわりにするという事です。
道路の街路樹、河川敷の桜の木、近くの立派なお庭、遠くに見える山、城など
土地の周りにある素敵な景観をお借りします。
参考例の写真は階段室の窓から見える借景「公園の樹木」です。
階段を上り下りする度に公園の樹木が見え、葉の色づきで既設の移ろいも感じられます。
借景をするには土地周辺の現地調査が必要不可欠となりますが、設計をさせていただくにはとても重要な事であります。
「家の中から庭を眺め、ゆっくりとした時間を過ごし、心身ともに豊かな生活を過ごして頂きたい」
そんな思いで設計をさせていただいております。